あわただしく3月が過ぎていく中、ずっと心に引っかかることがありました。
それはあの日から5年が過ぎていった3月11日のこと。
周囲が5年を強調して報道やらイベントやらでなんとなく落ち着かず、でも、そわそわさせられながら普通に5年目を過ごしました。
あの日から、周りの環境は少しずつ変化し、もちろんそれぞれの時間も確実に過ぎていっていることは事実だけど、気持ちの整理というか、あの日から体験したことや感じたこと、考えたことは、ずっと不完全燃焼というか未解決のまま今に至る私がいます。それは、時間が経ってもずっと変わらずいるのです。
きっと、死ぬまでこの思いは、このまま残っているのだろうなと思います。
親友に誘われて、ふくしまの中高生によるミュージカルを観に行ってきました。
1年かけて取り組んだプロジェクトということ。舞台製作スタッフへの興味から軽い気持ちで行ってきました。
なんだかよくわからないけど、演技のはじめから最後まで、涙があふれるばかりでした。
あふれ出すパワーを持つ女子学生たちが中心に当たり前の日常が目の前で繰り広げられ、そこには、学生達が毎日過ごしている時間や友達との会話、笑顔がありました。
ごくごく普通の毎日であり、愛おしいくらいの貴重な時間。
舞台の途中、流れる涙の理由がわかりました。あの日から癒されていない傷を負った自分が泣いていることに気づきました。
あの日、何気ない日常が一変し、たくさんの人がそれぞれの心に傷を負いました。でも時間は刻々と過ぎていき、生活環境も戻り、表面上は震災前と何も変わらない生活。
そして、前を向いて歩き出した自分がいる反面、どこか置き去りにされている自分に気がつくことなく5年が過ぎてしまったこと。
涙を流すことで、少しずつその傷が癒えていくことを感じながら、この舞台を見終えました。
形や言葉でうまく表現できない気持ちを、この舞台から感じました。癒されていない自分をこれから先の時間をかけて、またたくさん涙を流すことだろうと思います。
そんな自分がいることを受け入れて、当たり前の日常を大切に生きていきたいです。
いわきアリオスでの開催も決まったようです。是非、みなさんに見ていただきたいです。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11055a/cherenjifukushimapafomingartspurojekutowakushopu.html